基礎

基礎にはどんな種類が?
基礎の種類は、形状によって、『独立基礎』、『布基礎』、『べた基礎』に、また支持形式により、『直接基礎』、『杭基礎』に分けられます。
これは木造住宅でも、高層ビルでも同じことであり、地盤の状態、建物の構造形式、敷地条件などにより、その建物ごとに検討され、どの基礎形式を採用するかが決定されます。
一般的に木造住宅は、直接基礎が多く採用されます。
これは建物の重さが非常に軽いためです。

また、基礎形状については、古い建物から『独立基礎』→『布基礎』→『べた基礎』という風に移り変わってきました。
古来、日本の建築物は、玉石の上に直接柱が建っている構造でした。近代になり、コンクリートやブロックの基礎を使うようになり、布基礎となり、最近では、べた基礎が多く採用されるようになってきました。

どんな基礎が強い?
本来、基礎形状は建物の重量や地盤の耐力によって決定されるものですが、木造住宅の世界では、特に構造的な検討結果によるよりも、一律同じ形式が採用されており、形状の違いはその時代に何が流行っていたか、という感じさえあります。
ちなみに、べた基礎が現在多く採用されていますが、地盤がよい場所では必要性は少なく、逆に採用したとしても、地盤から伝わる力に対して、べた基礎本来の特性を生かしているわけではありません。
しかも、ほとんどのべた基礎が鉄筋が1段しか入っておらず(建築用語で『シングル配筋』と呼びます)、力のかかり方からすると、この鉄筋の配置にも疑問が残ります。
(鉄筋とコンクリートとで強度を分担していて、それぞれの効果があり、意味がないとは言いませんが、)それぞれが本来担当すべき役割を果たしていないといった感じがあります。
べた基礎の+αの効果として、湿気を防いでくれる、地震の横揺れに対して建物全体が一体として動いてくれるなどがあげられるため、繰り返しますが、無意味ということは決してありません。
木造の住宅と言えども、肝心の基礎だからこれぐらいした方が良いと個人的には思います。
ただ、べた基礎本来の構造的な特徴というものが理解されずに採用されているとは思ってしまいますが。

頑丈な基礎を造ります
厚み20cm。13mm径の鉄筋をピッチ@200mm、2段に配置(建築用語で『ダブル配筋』と呼びます)。

コンクリート強度は設計強度で27N/mm2
(木造では18~21程度が一般的。鉄筋コンクリート造の建物でも21~24程度が多い。)
実際できあがったコンクリートの強度を測定したら、36N/mm2ありました。
これは1mm2に36Nの力が加わるまで壊れないという数字です。
例えば、10cm×10cmの柱があったら、36トンまでは壊れない。
普段生活する世界で、36トンと言われてもピンときませんが、とにかく強度は十分あると言うことです。

木造住宅の基礎としてはちょっとやり過ぎ?
(これだけのコンクリート強度があれば、実際には鉄筋なしでコンクリートだけでももってしまうかも知れませんね。鉄筋のダブルもやり過ぎ?)

また、建物のコーナーは基礎にハンチ(斜め部分)を付けて、横からの力をスムーズに伝達するようにしている。木造の床組で言う『火打ち』のようなものです。

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