マリオ・ボッタの町 Lugano

Casa Robbian(Mario Botta)

1989年春。
私はLuganoの町にいた。
大学院1年の春休みに、5週間のヨーロッパの旅に出かけた。
当時はやりの『バックパッカー』というやつで、手にはお決まりの『地球の歩き方』を。

Luganoはスイス中央に位置し、ミラノまでは約60km、列車で1時間半程の小さな町。
建築家マリオ・ボッタの生まれ故郷である。
私はチューリッヒからミラノに向かう途中にこの地に寄った。

当時、建築、特にデザインについて知識の乏しい私にとっては、マリオ・ボッタの名はあまりメジャーではなかった。
当然Luganoという小さな町のことも全然知らなかった。
ただ、ボッタのシンメトリーのこじんまりとした住宅の写真を見たとき、ポストモダン全盛の当時においては、何か落ち着きを感じ、心に残ったのは確かだった。
ボッタについて詳しいことはわからなかったが、ちょっとこの町に寄ってみたいという衝動に駆られ、足を止めることにした。

この町にはボッタの作品があちらこちらに。
地元の人に尋ねると、みんなボッタのことはよく知っていて、みんな快く案内をしてくれた。
ボッタは町のみんなに愛されていて、町の誇りのようにさえ感じられた。

ParisではColubusier、BalceronaではGaudi。
どこの地でも有名な建築家はその町の人々に愛されているようだ。

Villa Savoye(Le Corbusier)

Sagrada Familia(Antoni Gaudí)

そう言えば、4年の春(1988年)、九州を旅した時、日本でも同じようなことがあったなぁと思い出す。
磯崎新の地元である大分で、やはり磯崎新は地元では有名でみんなに親しまれていた。
ただ私の中では、今はなき医師会館を案内してくれた職員の方の、『ちょっと雨漏りが多くて・・・』とこぼした一言の方が印象に残っているのだが。

大分県医師会館(磯崎新)

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